まんが文庫店

２巻から霊相談がメインに展開されていきます
このシリーズは、霊能者寺尾玲子(仮名)に持ち込まれる霊障相談を友人の漫画家山本まゆりが作品化したものです。その６の障りのある霊の絵が怖い(涙)！　またマンガ描いてる途中に、部屋にその霊が来ちゃってる話があります･･･。

収録されている話は、魔百合の恐怖報告
※初版はその７が２コあり、８が無く、９に飛んでます。
その６　 過去への手紙
その７　 葬られた霊域
その８　 霊道にある家
その９　 三通の手紙
その１０　死の誘惑
（ズバリ！聞きましょう玲子さんへミニインタビュー）
その１１　死者からの伝言
その１２　夢の暗示
　秘話　　ほんとにあった裏話
突然４コマ劇場　不思議ちゃんＲ子

現実は悲しい、だから希望を
　現実に悲しい境遇にいる子供はたくさんいる。でもその子たちの幸せを願っている大人だってたくさんいる。そうだろう。でないと、悲しいではないか。

　本書「サバス・カフェ３巻」では大きく分けられて２つのストーリが入っている。一つは、大の親友・デリィの本国であるイギリスでの話。デリィは貴族出身、家族愛にも恵まれている、人情の厚い、大とは反対の境遇にいる少年だ。大は、ディリと一緒に夏を過ごすことにより、人間らしい感情を学んでいく。初めて、「欲しいもの」ができるのだ。
　もう一つは、大の出生がいよいよ明らかになる話だ。大は唯一の家族の発見。そう、彼は友人たちと過ごす中で、本当に自分のルーツを欲していたのだ。
それなのに、大の思いは拒絶される。「お前は生まれるべきじゃなかった　子供なんだよ。」冬の海の前に、存在を否定される。

　その瞬間の大の絶望に胸が傷む。本書は漫画だ。でも私たちに現実の一部を垣間見せ、胸を熱くさせてくれる。主人公・大の求めているもの。家族。現実に、家族と上手くいかないどころではない人間はいる。でも、私は本や漫画の中に「希望」を見たいのだ。
　唯一の家族に憎悪を向けられ、それでも愛を求めずにはいられない・大が、最終巻で幸せな「日曜日のこども」になることを願わずにはいられない。