まんが文庫店

ただただ面白い
このシリーズは大好きで全巻持っていますが
特に好きなのがこの巻に収録されている「凍える影が夢見るもの」です。
親の代わりに罪を償い続ける男性と
それを知り憎しみから開放された被害者の女性のくだりは
何回読んでも涙が溢れて来ます。

全体的には笑えるほのぼの系オカルト（？）なのですが、
このお話のように感動出来るストーリーもたくさんあります。
絵も綺麗で見応えがあり、大人の為の漫画だと思います。
買って良かった１冊です。
わたしは｢封印の家｣が良かったと思います。
１３年前に失踪した子供が手元に帰ってきた母親のその嬉しさ、
父親の戸惑いが１ページ(６コマ)で痛いほど伝わってきました。
闇の住人は闇に返してやる、というのが哀しいです。
｢凍える影が夢見るもの｣も｢夏の手鏡｣もいいですよ。
珠玉の６話
この文庫版３巻は、「封印の家」「夏の手鏡」「反魂術の代償」「凍える影が夢見るもの」「南の風」「青い鱗」の６本が収録されています。
「反魂術の･･･」で、あの鬼灯さん登場です。「青い鱗」は全体的にコミカルなお話に仕上がっています。

漫画です
『夜明けのヴァンパイア』（インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア）の漫画バージョンです。
見つけたときはあることを知らず、また映画『クイーン・オヴ・ザ・ヴァンパイア』を見た直後でこの本の薄さにかなり期待はしていなかったんです。どうせ、省いて省いて省いてるんでるんだろうなぁ。と。
しかし、開いてみたら凄く綺麗な絵に漫画であの薄さなのにきちんとストーリーを映画並みに取り込んでいて大満足でした。
もちろん小説ならではの細かい描写はありません。しかし、漫画で起こすには十分な満足感を得られると思います。
イラストも耽美系なのでルイ、レスタト、クローディアの3人が素敵に美しく描かれていて洋服もヒラヒラ、画もキラキラなのでイメージを崩すことも少ないかと思います。
女王様の映画のほうよりもよほどこちらのほうが原作を忠実に再現されていて見ごたえはあると思います。
また、友人などに勧めるときにはこの本から見せると分かりやすくてよいかと。いきなり原作を見せるとちょっとあの厚さですから…。
話は分かりやすいと思います。
価格以外は良し！
以前徳間書店から出た筆者の「夜明けのヴァンパイア」と内容は同じ。
ご存知でない方の為につけくわえると､本作はアン・ライスの「ヴァンパイア・クロニクルズ」の１作目を漫画化したものだ。
原作は、94年にトム・クルーズとブラッド・ピット主演で映画化されたこともある。

実は私は徳間版も持っているのでそれと内容を比べると、前述のように漫画本編は同じだが、５〜６頁の分量で作者のあとがきが加わっている。
作品に対する思い入れや発表当時の反響､原作キャラの中で誰が好きかなどが語られているが､個人的には現在の絵柄で改めて描かれたレスタトがとても嬉しかった｡

徳間版を読んだことがない人や、篠原烏童のファンの人にはお薦め｡
ただ１つ。これは作品の出来とは関係ないが､このボリューム（薄いのだ）ではちょっと高い気がする。
加筆するなり､他社の文庫でよくあるように第３者による解説を加えるなりして欲しかった。その点で星１個マイナス。