カスタマー平均評価: 4
大海人政権前編 壬申の乱に勝利し、天武天皇として即位した大海人皇子。本作はその大海人政権前半(西暦672?79年)部分の展開が描かれていますが、その中で私が特に興味を持ったのは高市&十市カップルと大津皇子の成長です。
前者については敵であった近江天皇(大友皇子の事です。)の皇后であったのと同時にその敵を倒して即位した大海人皇子の娘だった、複雑な立場故に高市との恋が実る事のないまま、自殺した十市ですが、個人的には彼女の悲劇には共感もてません。専制的な大海人政権の反動等から近江朝廷時代を回顧する人もまだ多い中、壬申の乱でMVP級活躍をした高市との噂を持たれるような接触を繰り返した事は軽薄以外の何者でもありません。これでは大友皇子がますます可哀想ですし、耳面刀自の発言も一見「感情的に喚く嫌な女だ。」と思われるかもしれませんが、彼女の立場から見れば、反感を持つのも無理はありません。大海人も、彼女の屍を見て、泣いたのは史実ですが、彼の「親」としての判断は間違ってなかったと思います。
後者は讃良の拒絶的な反応もものともしないで、山辺と結婚した大津の成長は後に大きな火種を残す事となります。まだ子供だった彼に讃良の反応の背景の理解を要求するのは酷でしょうが、その軽薄なお坊ちゃん根性が・・・・・・・・・
十市と大津には批判的な私ですが、作品自体は決して嫌いではないです。葛藤の中で病気となった讃良は・・・・・・・・・・・
高市と十市の恋(その2) 壬申の乱に勝ち、ついに天皇になった大海人皇子、天武天皇。讃良も皇后の座に着くが、必ずしも磐石な国家とはいえない大和。元近江(大友皇子)派に対する風当たりは強く、高市と十市の恋は、十市が大友皇子のの正后であったため、「政治的配慮」のため、この恋は天武天皇にとって難しい問題であった。 讃良は天武天皇の妃をすべて集め、ささやかな宴をひらく。しかし、讃良は妃の中で「強くあり戦う」ことのできる妃は自分だけで、他の妃は天武天皇にとって「女」なのだということをまざまざと実感させられる。 誰よりも天武天皇に愛されたいと思う讃良は「女」としての愛を求めてはならないことに気づき」、苦悩しつつ天武天皇の片腕として政治に敏腕を振るうのだった。 今は亡き天智天皇の皇子と天武天皇の皇子は、一緒に学問をし、弓や馬で力をつける、分け隔てない扱いを天武天皇と讃良はしていたが、讃良しは息子、草壁皇子が弱いことに、皇位継承権を求める母としての策略がうわさされ始める。婚姻や皇子の序列などは讃良の思惑のうちにことが進められていると。 また大津皇子がおおらか過ぎるところがありながらも夫のように力強く成長していることが、自然と周りにも将来の皇位継承権争いの種をまく事になってしまう。 そして高市と十市の恋は「政治的配慮」から十市が泊瀬の斎王としていったん俗世から離れ、その後婚姻を許すとの天武天皇の命令がでた。高市と十市の恋は・・・・
|