カスタマー平均評価: 4.5
だいたい寄生(やどりぎ)から夢浮橋(ゆめのうきはし)まで 宇治十帖の後半、だいたい寄生(やどりぎ)・東屋(あずまや)・浮舟(うきふね)・蜻蛉(かげろう)・手習(てならい)・夢浮橋(ゆめのうきはし)まで。これで源氏物語は幕を閉じます。宇治十帖の最後のヒロイン、浮舟は、薫と匂う宮のふたりに想いをかけられ、しかし匂う宮の一時の情熱、薫の大君の代わりとしての愛に悩み、自殺を試みるがそれにいたらず、尼となる。俗世と、薫と匂う宮との縁を絶つのである。 この漫画では、結局浮舟は薫を愛していたことに気づくのだが、だからこそ、「ただの尼」として薫の愛を退ける。悲しい、「浮舟」という名の通りの恋である。 物語の終わりは美しい。「・・・わたくしにはわかっている いまは濃い川霧に包まれているこの流れが やがては晴れやかな空の下に出るように 川は流れ・・・走り・・・そしてわたくしもまたすべての川の行きつく先にたどりつけるだろう 走り去る流れがいつか光に満ちた大海に注ぐごとくに・・・」 強く生きるということを知った浮舟のその後を、天から光の君が見守っている。 女が強く生きることの出来る時代になった。私も強く生きていきたいと思う。 全巻読み終わった方は、各種翻訳本に挑戦してみましょう。私は谷崎潤一郎訳と橋本治訳が好きです。 時代を超えた名作 大和和記の源氏物語は、絵がきれいで思わず見とれてしまいます。この7巻には光源氏の息子夕霧と、頭の中将の娘雲居の雁の結婚の話が入っています。私はこの巻の中ではこのエピソードが一番好きですね。長い間離れ離れだった二人がようやく結ばれて、心から良かったね、と思える場面でした。一方、栄華を極めた光源氏と妻、紫の上には思いもよらないきざしが・・・。 読んでみると、千年前に書かれたものとは思えないほど新鮮でおもしろかったです。源氏物語をまだ読んだ事のない人には、漫画のほうが分かりやすいと思うし、オススメです。平安時代の事とか色々分かって、歴史の勉強にもなりますよ。
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