まんが文庫店

横山版「三国志」と比してコンパクトな印象ながら、要点を押さえた良作。
演技としての三国志はこれで学びました。 横山版よりもサクッとまとめている印象で何よりもキャラの描き分けがしっかりと出来ているので、読んでよく理解できたという点が大きな魅力だと思います。 中盤から後半にかけては諸葛孔明が話の中心になっていったような印象ですが、 呉の周喩にしても魏の司馬にしても孔明をライバル視してなんとか出し抜こうとするも、 いつもしてやられるという展開でとうとう自分は孔明には敵わないと認めざるを得なかった。 孔明が居なければとうの昔に曹操の天下だったということを知れる漫画かも。
良質なダイジェスト
これから三国志について知りたいと思う人に最適の入門書です。 『三国志演義』の見所や主要キャラを過不足なくおさえてあり、絵柄も叶清作似の劇画調で迫力があります。 三国志初心者には、横山光輝版全60巻よりオススメです。 （横山版は横山版で大変面白いのですが、官渡の戦いが端折られていたり、荀ｹなど重要キャラが顔無しだったり、張飛、趙雲、董卓など一般的イメージとは違うルックスのキャラが多かったりします）
正統派の三国志
　この寺島優原作、李志清画の「三国志」は当初、スコラから大きな判で発行されていたが、第二部「孔明編」が佳境に入ったあたりで絶版の憂き目を見る事になってしまった。それをメディアファクトリーが文庫として復刻し完結させたものである。横山光輝版の「三国志」や「蒼天航路」の愛読者にも比較して読んで欲しい正統派の名作だ。

　それにしても、メディアファクトリーと言う出版社は工藤かずや、池上遼一版の「信長」を復刻するなど良い仕事をしてくれる。一ファンとして感謝に堪えない。