カスタマー平均評価: 5
王道をゆく冒険活劇 ロシア革命で赤軍に殺された皇帝ニコライ2世の娘アナスタシア。 彼女のクローンを巡る争奪戦を描いた前半部(函館篇)を経て、 旧ソ連の秘密兵器「タイフーン」と、それにまつわる人々を描いた後半部。 今となっては珍しい、痛快無比な冒険活劇モノです。魅力的な多数のキャラクター達に、ふんだんにちりばめられたプロット、 そして手に汗握る展開と、ド派手なアクション、そして安彦良和さんらしい丁寧な絵。 非常に豪華で、贅沢なマンガに仕上がっています。 正直なところ、盛り込まれたネタが多すぎて、本編中で消化し切れていない感があります。 話の伏線は回収されていますし、オチもニヤリと出来るものですし、 ポジティブなストーリーなので、読了後の不満はありません。 が、キレイにまとまりすぎていて、もうちょっと余計なエピソードも読みたかった。 そう思ってしまうほどに、面白い作品です。 あと、目立たぬ形でではありますが、かなりキツい風刺が効いた作品です。 物語後半で、主人公の敵役であるアルクスニスが叫ぶ言葉には、 思わずうなずいてしまう人もいるのではないでしょうか。 ストーリー性を持ったマンガを読みたい方に、強くお勧めします。
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