まんが文庫店

で、本を開けるとイキナリ面食らった。そこには、手塚先生直筆のまえがきが書かれていたからだ。その内容はだいたいこんなので……漫画というのはやはりテンポが大切で…しかしこれから読まれる作品はテンポが遅いので……みたいな、巨匠らしからぬ少々弱気な言葉が並んでいた。
しかしながら、読んでみて納得した。

とても、テンポが遅い。それはと言うのは、民話調の語りとなっていて一枚の絵に対しての活字の量が多く中々ストーリーが進まない。だからと言って、やめる訳にはいかない、最初はただただ仕方なくで読んでいた。
だけど、読み進めていくうちにどんどんと物語の中に引きずり込まれていき、あれよあれよという間に読み終えてしまった。

そして、ハァーっと息を吐くと、何とも言えない気持ちになっていた。久しぶりにいい話を読んだ気がするなぁー、そんな気持ちになった。

手塚先生の代表作といえば、火の鳥、鉄腕アトム、ブラックジャック、ブッダ、アドルフに告ぐ、リボンの騎士、ルードリッヒ･Ｂ･ベートヴェン、陽だまりの樹…など様々である。

で、ありながら、アクションあり、エロあり、さらには他の作品のキャラクターも登場してしまう、サービス精神旺盛な娯楽大作。