カスタマー平均評価: 4
高市(たけち)と十市(といち)の恋 持統天皇の物語第二巻。 政治家の片鱗を見せ始め、夫、大海人皇子に、かけがいのない「戦友」と言われる。かけがいのない「妻」ではなく。讃良の希望は自分が生んだ皇子、草壁皇子にそそがれざるを得ない。しかし、姉大田も皇子を出産した。大津皇子である。彼らは今後この物語で重要な役を担うことになる。 政治的配慮によって、十市皇女は高市皇子との恋をあきらめ、中大兄皇子の皇子、大友皇子に嫁す。 讃良はそんな高市に自分が学んだ漢文・詩文・兵法書などを与える。自分が父、中大兄皇子と万が一戦うときのために修めた学問書であった。高市は大友よりも立派な男になり、十市を取り返すと誓う。 間人皇女は讃良に言う。「あなたなら形だけでない本当の女帝になれるかもしれない」と。 そして父は言う。「いまはまだわからないだろう。だが、もしもおまえがわたしと同じような立場に立つことがあったら、わたしと同じやり方で世の中をおさめようとするだろう」と。 讃良の力は、開花しはじめていた。 そして有名な薬狩。 大友が怪我したことを十市に伝えるのに遣わされた高市は、十市との愛を確認する。讃良はこれを目撃した。しかし、大海人と額田王の密会をも目撃してしまう。 この薬狩の宴席で、天智天皇(中大兄皇子)は、薬狩の最中禁忌の密会があったのではないか?と座の者に問う。はたして・・・
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