カスタマー平均評価: 4
彼のレーシングドライバー雑感 無敵の強さに陰りが見え始めたマクラーレン・ホンダ。 ようやく本物の実力を発揮したウィリアムズ・ルノー。 プロフェッサーですら手を焼くじゃじゃ馬フェラーリ。 衝撃的デビューを果たしたシューマッハを強奪したベネトン。 最後のシーズンにかける中島悟。個人的に最もどきどきしながら見ていた1991年F1サーカス。 本作はその当時を舞台に書かれた作品で、日系アメリカ人の萬が主人公。この作品が痛快なのは、一般的には『神様』扱いされているアイルトン・セナを新谷かおるはあまり評価してないんだな、と思われる点。 マンセルに「レーシングには神はいらない」(恐らくセナのことを揶揄してる)見たいなセリフを言わせ、ライセンス発行問題ではセナとアレジを完璧に悪役に仕立て上げている。当時絶大な人気を誇ったセナをここまでヒール扱いした作品は他にはないだろう。 僕は、神経質で勝つためなら体当たりも辞さないセナがあまり好きではなかったので、この作品はうなずく点が多い。無冠の帝王で、苦労人のマンセルや計算的なプロストなど、「セナのライバル」扱いだった彼らにスポットを当てているのも好感が持てる(僕はプロストファンだったので余計にそう思う。) 今の彼なら、アロンソやバトンにつつかれてるシューマッハや、改走を見せている佐藤琢磨をどのように描くだろうか。それが気になってしょうがない。
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