カスタマー平均評価: 5
やはりつのだじろうは面白い 新書の単行本版全4巻のシリーズが、分厚い文庫本サイズになって全2巻になったものなので、よりコンパクトで良い感じです。小学生のとき、「恐怖新聞」などが結構流行っていて、みんなで怖がりながら回し読みしていました。 (私が小学生の時分では、十年以上前に連載が終わっているにもかかわらずです。名作は時代を超えると、今更ながら思います。) そんな関係で、つのだじろう作品はかなり沢山読んでいて、結構好きなのですが、この作品は「サスペリア」という恐怖物ばかり載せるマニアックな雑誌に1986年から連載したとのことで、私は連載当時の事はあまり良く知りません。 しかし読んでみて、やはり「呪凶介PSI霊査室」や、「うしろの百太郎」にも負けない水準の、面白い作品でした。 この作品を知ったのは、昔、「学園七不思議」という恐怖TVアニメを観ていたのがきっかけです。 確か夕方5時か6時頃の放送で、30分間タイプの連作アニメですが、今考えてみると、つのだ作品の連続TVアニメ化は、他に例が無かったと思います。 この漫画をベースに話をさらに面白くした作品で、アニメなのに、現在の映画「呪怨」「リング」等よりはるかに出来も優れ、怖い作品ですので、もしDVDなどで出たらぜひ観てみて欲しい名作シリーズです。 当時かなり人気があり、視聴率も良かったはずで、恐怖アニメというPTAに嫌われそうなジャンルにもかかわらず、たいへん長寿なアニメになりました。 アニメでは、本人も知らぬうちに霊能力を持っていたことから、様々な恐怖体験をしてしまう女子高生、一条みずきと、同じ高校の先輩で霊能力者の月影名子が怪奇現象を解決する作品で、最終回もハッピーエンドなのですが、原作は非常にクールでドライなエンディングです。 (この辺は話してしまうのはアンフェアですので、ぜひ、ご自身で読んでみてください。) この原作は毎回主人公が違う、学校にまつわる恐怖を描く、単なる短編シリーズとして始まっていますが、一貫した主人公がいたほうがやりやすい為か、長編として一条みずき主人公の「晴嵐学園編」、その後に二条みずほ主人公の「赤尾学園編」、三条みずえ主人公の「黄泉学園編」と一連のシリーズとなっています。 アニメ版とはまた違った味のある作品で、とても怖い作品ですので、恐怖ものが大好きな方にはぜひお勧めです。
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